TOP > メカテムとは > 冷却水の省エネ効果

冷却水の省エネ効果

1.メカテムとは:
  が住める冷却水の水処理システムを意味する造語です。この水処理システムは、エムイーバイオと電圧発生(電子波)水処理装置を同時に使用することにより相乗効果を高め、化学薬剤を一切使用せず、且つ大きく省エネを達成してきています。

2.エムイーバイオとは:
  エムイーバイオは、珪藻土の粉体に定着させた好気性微生物群です。よく肥えた1グラムの土壌に微生物は、約10億個いると云われています。臭うものの上に土を少しかけるだけで臭わなくなるのは多くの微生物が臭いを分解するからです。エムイーバイオにも同じくらいの微生物がいるので、肥沃な土を乾燥させた粉体のようなものです。違いは、エムイーバイオの微生物群には、活発な藻・スライムレジオネラ菌を分解する能力があり、長い年月の連続通年使用が可能であることがあげられます。この能力は見え難いことですがとても大事なことで、畑でいう連作障害のようなことがおこらないということです。同一環境、同一条件のもとで同一の微生物群を使用し続けると期待する効果が得られなくなってしまうことがあります。エムイーバイオはそのところを考慮しまとめあげられているので、何年でも同じ冷却塔で使用し続けることができます。

  地球には約100万種類にのぼる微生物がいると云われ、我々が活用しているのはせいぜい1万種類だそうです。我々の生活環境には、数多くの名無しの菌が存在しています。キレイな自然環境にはそのキレイを維持する微生物群がバランス良く空気・土壌・植物あらゆるところで働いていますが、見えないミクロの生き物なので、空気と同じように気にしません。エムイーバイオの微生物群は、メダカを元気にいきいきとさせますが、同時に活発な藻・スライム・レジオネラ菌を安定的に分解します。この二つの関係は相対的なものですが、動物を基準にし善玉菌(好気性菌)と悪玉菌(嫌気性菌)とすると分かり易くなります。

  エムイーバイオの試験報告書としては、日本食品分析センター発行の『ヒメダカによる急性毒性試験、1997年』、『活性汚泥呼吸阻害試験、1998年』、『マウスを用いた急性経口毒性試験、2004年』があります。冷却塔水槽に十分な量のエムイーバイオを投入すると、1週間位からレジオネラ菌は消滅又は大幅に減少し、COD・一般細菌・硝酸性窒素・亜硝酸性窒素の数値が改善されていきます。今まで、メカテムを採用している現場の水はとてもキレイだと云われています。本サイトの『効果写真』で紹介しています。

  エムイーバイオは、日光の当たらない場所で生息していた微生物群なので、直射日光を嫌います。このため角型冷却塔の上部散水槽には遮光蓋を取り付けたほうが効果的です。特にこの場所に藻が繁殖すると運転障害に直結します。遮光蓋をすると藻は繁殖しませんから、バイオの仕事量の負担は減り、バイオは他の藻、水系全体のスライム、レジオネラ菌、そしてスケール有機成分の分解に働きます。このように見えないバイオは大量の有機物を分解し続けますが、その無機質の排泄物は埃と比べ物にならないほど、小さく見ることもできません。

  冷却塔は大量の空気を常時吸い込みます。その水系に発生するスライムとは、藻類、微生物類、埃、土砂からなり、あらゆるところに存在します。スケールは循環水の不純物(シリカ・カルシウム・マグネシウム・鉄など)が濃縮・析出した化合物です。ここで問題となる冷却水系のスケールは、スライムが接着剤のような働きをした混在一体化した混合物で、それは水性ゴムで練ったモルタルのようにも見えます。且つ、スケールはバイオを定着させる珪藻土をスライムで固めたようなものですから、さまざまな菌の温床となります。


3.電圧発生(電子波)水処理装置とは:
  防食(錆)・スケール分解・バイオ活性化処理に有効な電子波を水に伝播させる装置です。装置から対象金属製配管・機器・水までの伝達方法により2種類の装置があります。電磁波にその電子波を運ばせるのが大型の装置(ME-5200-B)です。電流に電子波を運ばせるのが小型の装置(ME-5050-B)です。処理対象物はアースされているので、プラスの電磁波・電流は金属部に流れ込み、電子波は誘電率が特に大きい水に伝播・吸収されます。簡単にいうと、誘電率が大きい物質ほど電気・電磁波(エネルギー)を吸収・保持すると解釈しています。水の誘電率は81.7、そして金属は8〜10ですから、水は約10倍も大きい特別な物質といえます。一般的には、プールのような大型水槽の水面上1〜2メートルから大型装置の電磁波/電子波を照射してもあまり効果は期待できないのではないかと考えますが、水面に向けて照射するととても良く電子波は水に伝播します。


  大型装置は電磁波で電子波を運搬し、対象物の全表面から電子波は吸収されます。小型装置は出力コードの結線箇所から対象物に電子波を流します。このことから伝達される電子波の物理量が大型と小型では違うことが理解できます。大型装置と小型装置を選ぶ判断及び台数は、処理対象機器の種類・大きさ、保有水量、補給水の水質・濃縮倍数そして改善目標を基準に考えます。

  水にある種のエネルギーを与え、特定の仕事をさせるという技術分野は、まだよく解明されていません。そして、一般的な商品と違い、水処理装置は、購入後すぐにはその性能と効果を確認することができません。これらのことから、弊社ではクーリングオフ期間を一年としています。エムイーバイオのクーリングオフ期間は1ヶ月です。


4.省エネ効果:
  第一に、金属の防食・防錆効果により、配管・機器類の寿命を延ばします。水道管の赤水防止を目的とした現場例を本サイトの『物理的水処理装置の効果検証』で紹介しています。水道水・工業用水など一方通行の流れの水は不純物が少なくキレイなので電子波の効果は十分出ますが、循環水などスライムを多く含有している水は、程度の差はありますが、スライムが粘着性クッション材のように電子波を吸収してしまい、十分に伝播しない場合があります。このような水系に装置を取り付け半年後に水質分析を行い、それからバイオ投入10日後に再度水質分析を行いスライムの実態を調べたことがあります。その現場例を本サイトの『好気性微生物群の産業界での活躍事例』で紹介しています。

  第二に、スケール分解により、熱交換器チューブ・冷却塔充填材等の熱効率を改善し、スケール障害から守ります。本サイトにある「省エネ例のグラフ」が示すように、冷凍機チューブに堆積するスケールは省エネ実施の大きな障害物です。

  最後に、スケールが付着・堆積しやすい冷凍機のチューブを観察します。冷却水にエムイーバイオだけ投入した場合、スライムはなく、スケールは硬いモルタル状に付着・堆積します。電子波水処理装置だけ取り付けた場合、スケールは軟らかく粘土状に付着・堆積します。両方を併用したメカテムの場合は、バイオがスライムを食べ分解するのでスケールが付着しない、又はしにくいため、キレイです。このようにバイオだけでは、押し寄せるスケール化のエネルギーには勝てません。電子波だけの場合、チューブ表面上のスライムは熱でヌルヌルがネバネバになり、析出してきた無機物は次々とクモの巣に捕まるように付着・堆積していきます。しかし、スケールの軟質化自体、洗浄作業からすれば省エネです。その現場例を本サイトの「ME-Bioのカタログ」と「電圧発生/電子波水処理装置のカタログ」で紹介しています。特許第3200374号「水処理方法」

  伝熱を阻害するスケールはチューブの保温材ですが、硬くても軟らかくても断熱材として機能してしまいます。対策はスケール混合物の除去しかなく、できれば初めから発生・付着させないことです。

2004年12月19日
坂倉康郎
▲このページのトップへ
Copyright (c)1995- ASAHI INC. All Rights Reserved.