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2.現場概要と調査結果

写真2 内視鏡検査の様子
写真3 調査で使用した機材

調査は、2003年2月18日、前述の独立行政法人関連会社の5名と内視鏡調査会社((株)ラムダコーポレーション)、そして10年前に装置を受注した当社が行った(写真2・3)。現場は下記の通りである。

(1)第一嶋田ビル(3〜5Fはマンション)
 所在地  :東京都新宿区
 建物竣工 :1964年
 装置取付け:1992年10月26日
 調査箇所 :屋上散水栓、メータ廻り給水管(管種SGP※1

(2)東京理科大学 本校 3号館
 所在地  :東京都新宿区
 建物竣工 :1965年
 装置取付け:1992年9月24日
 調査箇所 :2F流し給水管(管種VLP※2

(3)桐朋学園大学 調布女子寮
 所在地  :東京都調布市
 建物竣工 :1970年
 装置取付け:1992年11月16日
 調査箇所 :1F機械室給水管(管種SGP)、
        1F用務員室流し給水管(管種VLP)

1 SGP:配管用炭素鋼鋼管
2 VLP:塩ビライニング鋼管
なお、誌幅の関係から、上記のうち(1)と(2)の現場調査結果の内容のみを以下に紹介する。


(1) 第一嶋田ビル

図2 第一嶋田ビル・屋上散水栓給水管
(点線部分は内視鏡を挿入していない箇所)
写真4 第一嶋田ビル・屋上散水栓配管

調査箇所1-1〜1-5(図2,写真2・4)の管内に黒く見えるのが黒錆で、良好な状態である(写真5)。調査の開始から終わりまで、モニターに映し出される映像は同じような錆の状態である。装置を取り付けた10年前は、赤水の苦情が問題であった。調査時の水質検査値は、色度1未満、濁度1未満、鉄0.12mg/Lである。
写真5 第一嶋田ビルの内視鏡調査画像(左から右へ調査箇所1-1→1-5)


(2) 東京理科大学 本校 3号館(写真6)

写真6 東京理科大学 本校3号館(左は高置水槽近傍の、中央は揚水管近傍の装置取付け箇所(矢印部分)。右は2F流し給水管)
図3 東京理科大学3号館2F流し給水管

調査開始から砲金製バルブと塩ビライニング鋼管との異種金属接続腐食が映し出される。

調査箇所2-1・2-2(図3)は位置を変えて撮影したバルブ入口側で、錆瘤が発生している。黒く見えるのが黒錆である。この腐食を防止するには、管端防食用バルブに換える必要がある。

調査箇所2-3はエルボの手前で、わずかに流れ錆の付着が見られる。

調査箇所2-4はチーズ継手水栓側でコアの円周より発錆が見られるが、内面はきれいである。

調査箇所2-5は2か所めのバルブ手前で、管端部より小さな錆瘤(異種金属接続腐食)が発生しているので、錆粒子が内面に付着している(写真7)。

写真7 東京理科大学3号館の内視鏡調査画像(左から右へ調査箇所2-1→2-5)

調査時の水質検査値は、色度1未満、濁度1未満、鉄<0.05mg/Lである。装置取付け前(1992年9月24日)と20日後(1992年10月14日)の水質を比較すると以下のようになる。

・色度 16 2
・濁度 1 1
・鉄 0.43 0.05未満[mg/L]
・pH 7.4 7.2
・硬度 117 86
・塩化物イオン 27 21[mg/L]
・COD 3.2 2.4

短期間に改善した理由は、水の使用量がとても多いからである。
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3.効果を体感する

このタイプの物理的水処理の世界には、共通認識としての理論というものがない。扱う対象が水であり、何か添加物を加えるわけでないので、見ることのできない分子・原子・イオン・電子・光子・音子という言葉を使っていろいろと説明されている。ただ、目的は「防食(錆)」、「黒錆化」と「スケール分解」を実際の現場で安定的に達成することである。

冷却塔の充填材などに固着するスケールは、熱変化により水の不純物が析出したものである。冷却塔にS/電子波水処理装置を取り付け、有機成分を分解するエムイーバイオを投入すると、数日後から硬いスケールが軟らかくなり、飴を舐めるように薄くなっていくのがわかる。
これらの現象を観察すると、水が分子の世界で、ある特定の波長で振動しているのが想像できる。硬いスケールを舐めるように薄くしていくのは、バラバラと剥離させるのとは違い、S波が正確な波動とエネルギーでスケールの核分子に働きかけているからである。
そして、1000RTクラスの密閉型冷却塔コイルにびっしりと堆積したスケールが、スケール発生負荷を解消され、かつ分解されていく様子を見ると、バイオを併用しているとはいえ、そのエネルギーのパワーには目を見張るものがある。伝播速度からいえぱ、短時間で保有水量数千トンの水槽の水が活性化されることについても驚かされる。

この現象は、古典物理学的に電子を粒子と考え、振動は粒子の上下(+−)方向に対する動きと考えるとわかりやすい。振動電界の電子波をダクトの粉塵付着防止装置として応用したのが、弊社が取得した特許第2552420号であり、振動電子波のイメージが分かり参考になる。
たとえぱ、S波をたばこの煙がスモッグ化しているパチンコ店内で照射すると、煙粒子は上下方向に交互に引力を受け、煙は徐々に細かく分散化して薄くなっていく。洋服や下着に染み付いた臭い物質も、叩くとサラサラと落ちやすくなる。そのほかに、洗濯物の汚れがよく落ちる、温泉効果が得られる、おいしい水がつくれる、鯉のいる池の濁った水も澄んでくる、食肉がおいしくなる、染物がきれいに染まる、作物の生育がよくなる。そして、無害な冷却水系を運転するのに必要な好気性微生物を活性化させる。

歴史が20年近くある装置なので、いろいろなかたちで使われてきた経緯がある。このことは装置の能力を多様な対象物に投影させることにより、S波の効果がより鮮明に映し出されるといえる。

  

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